かかりつけ医のための家庭医療学(第26回)
地域立脚型のケア(1)―在宅ケアのしかた
武田 伸二
1
1東町ファミリークリニック
pp.167-170
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100547
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昔の医師は,受診困難な患者の診療のために,よく往診をした.発熱や呼吸困難などの急性疾患から,在宅での看取りまで,交通手段が未発達で高度な医療機器のない当時,医師が往診かばんを片手に患者宅に訪れるのは,よく見られる光景であった.
ところが近年,医療が専門分化し,医療機器による画像診断やさまざまなモニターの発達により,より質の高い医療を求めて,ケアの中心は専門の医療機関へと移っていった.しかし,専門分化の方向に偏りすぎたために,患者の全体像が見えにくくなった.その結果,さまざまな病気を持つ患者を一人の人間として,統合してケアすることが困難となっている.
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