特集 外科系疾患に遭遇した時
外科系診療レベルアップ
⑨乳児多発性汗腺膿瘍,化膿性汗腺炎
利根川 均
1
1博慈会記念総合病院形成外科
キーワード:
汗器官感染症
,
アポクリン腺
,
黄色ブドウ球菌
,
根治手術
Keyword:
汗器官感染症
,
アポクリン腺
,
黄色ブドウ球菌
,
根治手術
pp.482-483
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100500
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乳児多発性汗腺膿瘍
俗に「あせものより」と呼ばれる乳児多発性汗腺膿瘍は,乳幼児の汗疹に続発する,顔面,頭部に多発する発赤を伴った豌豆大の皮下硬結である(図1).次第に隆起,軟化するが,深在性汗器官感染症であるため,自潰することは少ない.頭部にできたものはとくにドーム状に盛り上がる傾向にあり,疼痛が強く,時に切開を,要することがある.黄色ブドウ球菌によることが多く,セフゾン小児用細粒(R),フロモックス小児用細粒(R)などのセフェム系抗菌薬が第1選択となる.夏は汗を大量にかかないよう気をつけ,局所を清潔に保つようにする.シャワー,頻回の下着交換で予防できる.しかしながら,最近ではエアコンの完備や公衆衛生の徹底などの環境整備が進み,あまり見かける疾患ではないようである.
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