皮膚科医直伝Ⅱ 教科書では教えてくれないコツ[6]
「ジアノッティ症候群」と「砂かぶれ皮膚炎に似ているウイルス感染症かもしれない病」―小児ウイルス感染症の落とし穴
中村 健一
1
1おゆみの皮フ科医院
pp.439-442
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100487
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「先生,前にかかった先生にかぶれといわれたのですが,どうも診断がつかないようなので不安になりました」「ほっぺたが真っ赤です.それに手足にブツブツがでてきました.痒がります.アトピー性皮膚炎では?」
そんな子どもを抱えて母親が食い入るように医師の顔色を見る.
「この先生,一発で診断できるのかな?」「ヤブやないやろな?」
そんなこと考えているみたいで,相撲の立合いのような緊張が診察室内を覆う.「あぁっ,きたな!ジアノッティ症候群だ」「まただよ,砂かぶれ皮膚炎に似ているウイルス感染症かもしれない病」
一瞥で診断できれば信用度は何倍にも向上するが,迷ったような素振りを母親に見抜かれると悲惨である.この2つの疾患,実は大変多いのだ.
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