HOUMONホットライン
災害と似て非なる新型コロナウイルス感染症
佐藤 純
1
1ケアプロ訪問看護ステーション東京
pp.965
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201583
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ダイヤモンド・プリンセス号の支援に入って
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」では新型コロナの集団感染が起こり、乗客が船内待機となったというニュースがありました。実は私も、JMAT(Japan Medical Association Team:日本医師会災害派遣チーム)の一員として同船に支援に入っていました。
当時はウイルスの正体が今以上に明らかになっていなかった時期です。支援に入った医療者の中には「新型コロナの対応をした」という事実だけで、子どもを保育園に預けられなかったり、職場で孤立するといった形で偏見・差別を受けた人は少なくありません。また、支援から退いた直後の2週間、私は在宅ワークに切り替えましたが、「人と対面しない」生活がいかに苦痛なのかを思い知りました。これら一連の体験は、「新型コロナは人々の心をも蝕んでいきかねない」と知るのに十分なものでした。
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