特集 Clinical preventive service 外来で行う予防医療
マンスリー・トピックスのすすめ
診療所を「健康情報発信基地」にする
藤沼 康樹
1
1日本生協連医療部会家庭医療学開発センター
pp.963
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100468
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診療所は本来は地域住民と近接性があり,さまざまな健康問題に関する相談がなされる場所である.しかし,地域に向けての「健康情報発信基地」としての診療所(病院の外来部門も一定含まれる)という考え方はこれまであまり強調されてこなかったかもしれない.これは現在の診療報酬の考え方において,予防医療活動に関してほとんど保険点数が認められていなかったことが大きな要因と思われる.医療機関の仕事は疾患の診断と治療であり,地域における保健予防活動は保健所(保健センター)が担うという分担がなされてきた歴史もある.しかし,予防接種をはじめとして,保健所が担っていた予防活動の主体が徐々に医療機関に移行してきている.
また,TVをはじめマスコミやインターネットからもたらされる健康情報は玉石混交であり,一定の質が保証されているわけではない.しかし,国民の健康情報を求めるニーズは非常に高く,とくに食事や運動などセルフケアに関する情報への関心はきわめて高い.
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