特集 Clinical preventive service 外来で行う予防医療
マンスリー・トピックスのすすめ
禁煙・運動・肥満
田中 久也
1
1奈義ファミリークリニック
pp.964-965
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100469
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禁煙
喫煙者は被害者
禁煙に無関心でいることはもはや不可能だろう.しかし実行は非常に困難である.喫煙者は悪者にされがちだが,「あなたが悪いのではなく,タバコの存在が悪いのだ」と気づいてもらうことが重要だ.喫煙の動機の第1位は興味本位(試し喫煙).大人が喫煙の姿を見せなければ,子どもは興味を持たない.初めの1本,禁煙後の1本が新たな苦しみを生むことを理解してもらおう.
ニコチンの作用
タバコには多数の有害物質が含まれ,その代表がニコチンだ.ニコチンは身体的依存と精神的依存を作り出す.主に神経系に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に作用して薬理作用を発現するが,中枢神経系ではドパミン系神経細胞に作用して個体に快感を与えるため強化行動を引き起こす.また,ニコチンは体内のビタミンCを破壊し,コラーゲンを破壊するため皮膚がしみや皺だらけになる.
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