特集 ズバッと答える臨床知識 学生・患者に説明できますか?
身体所見・検査の疑問
収縮期雑音と拡張期雑音の違いは?
出口 寛文
1
1大阪医科大学循環器内科・総合内科
キーワード:
収縮期雑音
,
拡張期雑音
,
心音
,
過剰心音
Keyword:
収縮期雑音
,
拡張期雑音
,
心音
,
過剰心音
pp.885-889
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100447
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聴診のポイント
心雑音は循環血流に乱流や渦が生じることによって発生する.乱流は心血管系において,①管腔径の急な変化,②管腔径の増加,③血液の粘稠性低下,④血流速度の増加などが起こるためと考えられている.聴診では,心音の変化や過剰心音の有無,雑音の聴取部位,強度,形状,音質,タイミングなどに留意する1).
聴診器のチェストピースは膜(高音域用)とベル(低音域用)の切り替えが可能なもの(切り替えではなく強く押し付ければ高音域を聴取できるものもある)を選び,音の周波数に合わせて使い分ける.とくに低音域の音を聴取する場合にはベル型の聴診器を軽く胸に当て,かつ空気がもれない程度にベルを胸部に密着させる.Ⅲ音,Ⅵ音,僧帽弁狭窄症の拡張期ランブルなどを聴診する場合はベル型を用いる.膜型は皮膚に押しつけて主に高音成分を聴取する1).
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