特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考
—Austin Flint雑音—一例一例を丁寧に診察し、患者から学ぶ重要性を教えてくれる—心電図もX線写真もない時代に発見された心雑音
山崎 直仁
1
1高知大学医学部附属病院 循環器内科
キーワード:
Austin Flint雑音
,
大動脈弁逆流症
,
拡張期雑音
,
心臓聴診
Keyword:
Austin Flint雑音
,
大動脈弁逆流症
,
拡張期雑音
,
心臓聴診
pp.1314-1317
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202862
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Austin Flint雑音は、「大動脈弁逆流症(aortic regurgitation : AR)」が存在する時に心尖部で聴取される、僧帽弁狭窄症(mitral stenosis : MS)様の拡張期の低調な雑音を指す(図11,2)・表1)。その名前は、米国の内科医Austin Flint(1812〜1886)に由来する。しかしFlint自身は、人名をつけて身体所見を表記することには、混乱をもたらすだけだと批判的であった。自身の名がAustin Flint雑音として後世の人々に記憶されていることを知ったら、Flintはどう感じただろうか?
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