明日からできる「物忘れ外来」【第5回】
アルツハイマー病治療・介護のコツ①―アルツハイマー病と診断した後,どうしたらよいか?
川畑 信也
1
1成田記念病院神経内科
pp.676-679
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100402
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介護家族にアルツハイマー病をわかりやすく説明することが大切
アルツハイマー病と診断した後,介護家族に病態を説明することになります.アルツハイマー病とは,どのような病気なのか,どのように日常生活で支障がみられてくるのかなどについてわかりやすく説明することが大切です.アルツハイマー病は,現在の医学では根治的な治療法がいまだ見出されていない疾患です.大切なことは,介護家族が病気を理解し受容したうえで,上手な介護,適切な対応を進めていくことです.
アルツハイマー病について,以下のように説明します1).「アルツハイマー病は,若い頃に100%自分でできたことが少しずつできなくなってくる病気です.病気になる前には,料理や洗濯,車の運転,買い物に出かけるなど何でもひとりでできたわけです.しかし,アルツハイマー病になると病気の進行に従って90%,80%,70%とできることが少なくなってきます.ですから,できなくなってきた10%,20%,30%の部分を家族や周囲の人々が手助けしてあげないと患者さんは日常生活を遂行することができないのです.
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