特集 ジェネラリストのキャリアパス “初期研修”から“後期研修”へ
【ジェネラリストのキャリアパス】
佐賀大学総合診療部―総合診療から医学教育まで
小田 康友
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1佐賀大学医学部地域医療科学教育研究センター・医療教育部門
キーワード:
診療・教育・研究
,
臨床能力
,
医学教育
,
地域連携能力
Keyword:
診療・教育・研究
,
臨床能力
,
医学教育
,
地域連携能力
pp.564-567
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100378
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Question & Answer
Q:高次機能病院における総合診療部の役割は?
A:病院のゲートキーパーとしての役割,入院患者の一般内科的医療の提供,地域連携の拠点に加え,常に施設のニーズを明確にし,専門部署が独立するまでの過渡的役割を果たすリーダーです.
研修履歴
私の総合診療医としての研修履歴は表1に示したとおりです.とくに有名な研修病院での研修歴や,まとまった留学歴があるわけではありません.また,ここ5年の私の実践は,実務的にも心情的にも,総合診療というよりも医学教育へと大きく傾斜したものとなっています.それだけに,ジェネラリストとしての経歴について述べよという依頼には心苦しいものがありますが,本号の趣旨に従って概括しますと,次のようになります.
私が育った佐賀大学(旧佐賀医科大学)総合診療部は,いわゆる“業界の老舗”であり,大学においては診療(外来,病棟),教育,研究の三本柱,そして地域展開として僻地診療所でのプライマリ・ケアから地域基幹病院での一般内科,そして高次機能病院での一般内科という,日本の総合診療に求められているあらゆる局面に活動を展開していたため,私はそれらのすべてを,直接的・媒介的に経験してきました.そしてその過程は,「総合診療」というものが日本に根付き,その教育の理念がスタンダード――卒前においては「コア・カリキュラム」,卒後においては初期研修制度――に盛り込まれるに至る,発展のプロセスと並行したものでもありました.その間私は,優れた指導者,ロールモデルに恵まれ,迷うことなくこの道を走ってきました.
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