特集 胸痛患者をみたら
症状からのアプローチ
⑥小児の胸痛の診断
和田 浩
1
1健和会病院小児科
キーワード:
特発性胸痛
,
心因性胸痛
,
虚血性心疾患
Keyword:
特発性胸痛
,
心因性胸痛
,
虚血性心疾患
pp.220-223
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100254
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小児の胸痛は,頭痛・腹痛などに比べると頻度は低いが,稀な訴えではない(一般小児外来の0.2~0.6%という報告が多い).年齢では小学校高学年から中学生に多い.原因疾患は表11)に示すように多岐にわたるが,特発性(J1)・心因性・筋骨格系で8割程度を占め,多くは予後良好である.しかし親は「心臓が悪いのでは」という不安を持つ場合が多い.小児の胸痛の診療で重要なことは,稀ではあるが重篤な器質的疾患を見落とさないことと,重篤ではない場合に,どうその不安を解くかという点である.ここでは,内科・小児科の医院を念頭に,プライマリ・ケアにおける対応を考えてみたい.
緊急性の判断
来院時に,全身状態不良・チアノーゼ・ショックなどを呈していれば,可能な処置を行ったうえで集中治療の可能な病院へ搬送する.川崎病の心筋梗塞,心筋炎,緊張性気胸,重症の肺炎・胸膜炎などが考えられるが,頻度としては稀である.
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