レビューでわかる! いまどき診療エビデンス 2
たばこの害とその回避―禁煙相談のためのエビデンス
宮崎 景
1
1名古屋大学附属病院総合診療部
pp.928-931
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100198
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
米国のデータですが,喫煙者の70%がたばこをやめたいと願っています1).その一方で,ある電話調査によると,過去1年間に外来で喫煙の話題が出たのは51%,禁煙を勧められたのが46%,禁煙の補助を提案されたのが15%,禁煙のための再診察を予約したのが3%にすぎません2).日本における数字は明らかではありませんが,さらに低い介入率が予測されます.
また,日本人の喫煙と疾病との関連に関する認識度を調査した「喫煙と健康問題に関する実態調査」によりますと,喫煙と心臓病,脳卒中の関連について認識していたのはそれぞれ40.5%,35.1%,たばこの依存性について認識していたのは51.8%にすぎませんでした3).
多くの人々がたばこをやめたいと思っていても,その依存性に対する認識は低いのでやめられず,たばこの害についてもあまりわかっていないという日本人像が浮かび上がります.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.