特集 腰痛診療 サイエンスとアート
急性腰痛の診察ABC―red flags鑑別のポイント
五十嵐 環
1
,
菊地 臣一
1
1福島県立医科大学医学部整形外科学講座
キーワード:
急性腰痛
,
非特異的腰痛
,
問診
,
理学所見
Keyword:
急性腰痛
,
非特異的腰痛
,
問診
,
理学所見
pp.806-809
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100168
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腰痛はあくまでも症状であり,疾患名ではない.腰痛をきたす病態は多様であり,内臓由来,血管由来,神経性,心因性,および脊椎性の5つに大別される1).腰痛の原因としては,腰部脊柱の退行性変化に伴う腰痛が多く,その大部分が下肢に神経症状を伴わない,あるいは重篤な脊椎疾患を有しない非特異的腰痛に分類される.しかし,腰痛の原因が,椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄,あるいは化膿性脊椎炎などの特異的腰痛や脊椎以外にも存在していることが稀ではないことに留意する必要がある(表1).以下に急性腰痛に対する診察の手順と各ステップにおける鑑別のポイントを述べる.
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