特集 腰痛診療 サイエンスとアート
腰痛治療への新しい視点 患者中心のEBM
片田 重彦
1
1医療法人かただ整形外科
キーワード:
急性腰痛
,
安静
Keyword:
急性腰痛
,
安静
pp.802-804
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100166
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医学のなかで,腰痛ほどその概念が混乱してきた疾患はない.現在までに腰痛の原因が明確になったものはわずか15%に過ぎない.4%は圧迫骨折で,1%は腫瘍,1~3%が椎間板脱出による疼痛である(単なる画像上の椎間板突出は含まれない).こうした認識しうる原因をもつ腰痛を特異的腰痛といい,そうでないもの(画像所見はあっても疼痛と結びつかない)を非特異的腰痛という.
非特異的腰痛は,EBMによる調査が海外では綿密に行われ,その結果従来の診断法および治療法の多くは疑問視されるに至った2).しかしEBMをもってしても腰痛は「群盲象を評す」の域を出ていない.
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