誌説
腰痛のred flagsを考える
折田 純久
1,2,3
1千葉大学フロンティア医工学センター教授
2千葉大学大学院融合理工学府基幹工学専攻医工学コース教授・副コース長
3千葉大学大学院医学研究院整形外科学脊椎脊髄外科
pp.1340-1340
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1340
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
頭痛,腹痛など,ある臨床徴候や症状において潜在する重要疾患を示唆する項目をred flags(RFs)と呼ぶ.腰痛におけるRFsは悪性腫瘍,感染,骨折などを対象とするトリアージ項目からなり,進行性,悪性,広範囲,慢性化,長期治癒過程などに関連した症状・所見の総称である.具体的には ① 発症年齢20歳以下または55歳以上,② 時間や活動性に関係のない腰痛,③ 胸部痛,④ 癌,ステロイド治療,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既往,⑤ 栄養不良,⑥ 体重減少,⑦ 広範囲に及ぶ神経症状,⑧ 構築性脊柱変形,⑨ 発熱などがあげられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021