特集 ケーススタディ 不明熱
不明熱の分類と原因疾患
岩田 健太郎
1
1亀田総合病院総合診療教育部
キーワード:
古典的不明熱
,
病院内不明熱
,
好中球減少時の不明熱
,
HIV関連不明熱
Keyword:
古典的不明熱
,
病院内不明熱
,
好中球減少時の不明熱
,
HIV関連不明熱
pp.720-723
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100148
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不明熱(fever of unknown origin : FUO.エフユーオーと読む)の定義は,1961年にPetersdorfとBeesonによりなされた.以下の3つの条件を満たせば,不明熱と定義された.
● 38.3℃以上の熱が数回にわたって上がる.
● 3週間以上熱が続く.
● 入院後,1週間診断がつかない.
なぜ,38.3℃?米国は華氏を使っていて,高熱というと華氏101℃(ワンオーワン)なのですね.これが,摂氏では38.3℃.
明快なこの定義は,30年も使用されてきた.しかし,米国医療がマネジドケア中心となり入院期間が極端に短くなったこと,従来であれば入院でワークアップ,マネジメントしていた不明熱が外来で行われることが多くなったこと,またPetersdorf&Beesonの時代にはなかった診断技術が進歩したこと(たとえば,当時はCTがなかった!)などにより,この定義は変更を余儀なくされてきた.これをふまえて,DurackとStreetが新しい不明熱分類を提唱することとなる.1991年のことであった.たとえば,古典的な不明熱は「3回の外来受診か,3日間の入院精査で原因のわからない……」というように再定義され,ワークアップの時間が短くなったのであった…….
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