特集 原因不明で経過する発熱,不明熱患者のみかた
総論
原因不明のままの不明熱と診断的治療について
髙田 徹
1
1福岡大学病院感染制御部
キーワード:
不明熱
,
診断的治療
,
NSAIDs
,
抗菌薬
,
ステロイド薬
Keyword:
不明熱
,
診断的治療
,
NSAIDs
,
抗菌薬
,
ステロイド薬
pp.1019-1023
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000349
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Headline
1 1週間以上発熱が続き,原因の絞り込みができない場合は,不明熱的な病態として捉え,不明熱としての鑑別診断のwork-upを検討する.鑑別診断を意識して原因を特定する手がかりとなり得る病歴,身体所見,検査所見を系統的に収集する.
2 不明熱の管理における基本原則は,熱の原因が特定されるまで,原因診断に影響を与える治療を可能な限り控え,原因判明後に最適な治療を行うことである.特に拙速な抗菌薬やステロイド薬の投与は一部の例外を除き慎むべきである.
3 エンピリックな診断的治療が許容される例として,培養陰性心内膜炎に対する抗菌薬,粟粒結核や肺外結核が疑われる場合の抗結核薬,巨細胞性動脈炎が推定される場合の低用量ステロイド薬,腫瘍熱の疑いがある場合のNSAIDsなどがあげられる.
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