特集 ケーススタディ 不明熱
不明熱へのアプローチ
小山 弘
1
1京都大学医学部附属病院総合診療科
キーワード:
古典的不明熱
,
疾患の定義
,
入院患者の不明熱
,
詳細な病歴聴取
,
身体診察
Keyword:
古典的不明熱
,
疾患の定義
,
入院患者の不明熱
,
詳細な病歴聴取
,
身体診察
pp.724-728
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100149
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
学生時代,定義や症候群は“試験に出る敵”であった.しかし臨床医にとっては,これらは頼りになる“味方”である.“この定義を満たした患者は,このような疾患を有する”と,われわれの先輩の医師たちが,研究した成果をもって教えてくれているのである.この先輩たちの知恵を借りて,われわれは“目の前のこの患者さんは,この定義を満たすのでこの疾患であろう”と推定し,診断・治療のストラテジーを立てることになる.
したがって,不明熱へのアプローチの第一歩は,自分の目の前のこの患者さんが,不明熱の定義を満たしているか,を確認することである.もし完全には満たしていない場合,自分が参考にしている知識が,その患者さんに外挿可能かを検討しなければならない.その意味で,Durackら1)の不明熱の再定義について先の稿で詳述されているが,この改訂の意味を十分に理解し使いこなすことで,より正しく“不明熱”に対応することが可能となる.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.