皮膚科医直伝Ⅱ 教科書では教えてくれないコツ[2]
帯状疱疹後神経痛―生き地獄へのカウントダウン―どうしたら阻止できる?
中村 健一
1
1おゆみの皮フ科医院
pp.91-93
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100045
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「死にたい」「この年で生き地獄を味わうなんて,先生,助けてください」こう言って,帯状疱疹後神経痛の患者が顔を歪める.
帯状疱疹の患者を診察したことのない医師は,まずいないであろう.内科や外科,眼科,耳鼻科でもお目にかかる.抗ウイルス薬の内服と消炎鎮痛薬を処方すれば「はい,おしまい」と考えていたら大きな間違いである.60歳以上(一説には50歳以上)の高齢者では帯状疱疹後神経痛が待ち構えている.ちゃんと治療しているから大丈夫などと考えないほうがよい.初診の日から帯状疱疹後神経痛へのカウントダウンが始まるのだ.
神経痛は,いったん帯状疱疹が治まったかに見えてホッとした後に発症する.耐え難い激痛によって,夜間の睡眠時間が1~2時間程度ということは珍しくない.皮膚は痂皮のみで全く問題がないのに,痛みだけが残るのである.
患者と医師を悩ませるこの神経痛には,実は回避できる方法がある.その掟を紹介しよう.
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