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東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定
2011年6月にスポーツ基本法が成立し,障がい者も含めすべての国民にスポーツの権利が保障された.2012年には文部科学大臣によりスポーツ基本計画が公表され,日本の障がい者のスポーツ環境が広がる動きが続いている.これらの動きを受け,公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(以下,協会)は,2013年3月に「日本の障がい者スポーツの将来像」を発表し,2030年の目標を掲げ,目標実現のためのアクションプランにより長期的,計画的なスポーツ推進が進めている.2013年9月には2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催が決定し,2014年4月には,政府の障がい者スポーツの所管が,厚生労働省から文部科学省に移管されることとなり,スポーツ施策の一元化が一気に進むことになった.
オリンピック招致にパラリンピック開催が含まれた北京2008パラリンピック競技大会から,会場,組織委員会,ドーピング規則,マーケティング規則,アクレディテーションなどすべてにわたってオリンピックと同じ規則,方法が適用されるようになった.国際オリンピック委員会(International Olympic Committee;IOC)と国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee;IPC)によるこの合意が交わされた2001年を契機に,パラリンピックの競技レベルが一段と向上し,パラリンピック開催国を中心とした選手強化を進める上位国にメダルが集中することとなった.2012年のロンドンパラリンピックでは,オリンピックとパラリンピックの距離が近づく取り組みが多く実施され,イギリス連邦の競技大会であるコモンウエルス大会では,パラリンピック競技の一部が実施されるようになった.パラリンピックは,オリンピック,サッカーのワールドカップに続く,世界で3番目に大きいイベントに発展している.
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