特集 副作用を見逃すな!
よくみる副作用とその対処
③消化器疾患―粘膜傷害,逆流性食道炎,偽膜性大腸炎など
本郷 道夫
1
1東北大学病院総合診療部
キーワード:
逆流性食道炎
,
NSAIDs胃炎
,
偽膜性大腸炎
,
便秘
Keyword:
逆流性食道炎
,
NSAIDs胃炎
,
偽膜性大腸炎
,
便秘
pp.30-33
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100008
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症例提示
■症例1
患者:48歳の女性.
現病歴:5年前から関節リウマチで鎮痛薬を常用し,ステロイド薬も服用している.3週前から心窩部重圧感と食欲不振が出現し,昨日黒色便があったので主治医に相談した.
身体所見:手指の関節は軽度の発赤があり,屈曲障害がある.眼瞼結膜はやや貧血様,口腔粘膜に異常なく,胸部に異常を認めない.心窩部に軽度の圧痛を認めた.
検査所見:末梢血;赤血球数312×104/μl,血色素8.4g/dl,白血球数8,200/μl,便鮮血反応(強陽性),CRP 0.4.
■症例2
患者:75歳の男性.
現病歴:10年前から高血圧のため,降圧利尿薬を服用していた.受診2カ月前に心電図で冠動脈疾患を疑わせる所見が得られた.そのためCa拮抗薬の服用を開始した.徐々に便秘ぎみとなり,最近の2週間は便通が3回のみで,排便困難を感じるようになった.また,食後に胸やけを感じるようになった.
身体所見:やや肥満の高齢男性.身長165 cm,体重80 kg.血圧156/94 mmHg,脈拍整.
検査所見:血液生化学検査では,軽度の高脂血症,空腹時血糖124 mg/dl,糖負荷試験で境界型糖尿病.
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