特集 副作用を見逃すな!
薬の副作用を疑う手がかりと診断
佐瀬 一洋
1,2
1順天堂大学大学院臨床薬理学
2順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科
キーワード:
添付文書
,
適応外使用
,
副作用・感染症自発報告制度
,
医薬品安全性監視の計画(PvP)
,
副作用被害救済制度
Keyword:
添付文書
,
適応外使用
,
副作用・感染症自発報告制度
,
医薬品安全性監視の計画(PvP)
,
副作用被害救済制度
pp.14-20
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
医薬品の副作用が疑われる死亡例が連日報道されているが,日常診療のなかで,原疾患の悪化,既知の副作用,そして未知の有害事象に対して適切に対応することはなかなか容易ではない.診断にあたっては,診療ガイドラインやクリニカルパスを活用しつつ,原疾患の自然経過,治療の目的,チェックすべき評価項目とその時期,さらには併存する疾患とその影響を可能な限り明確にしたうえで,理解しがたい症状や検査値異常を認めた場合,医薬品による副作用を疑わなければならない.
近年,予測予防対応型の副作用対策の必要性が高まっている.医療安全性の観点からは,使い慣れた薬の添付文書を一読し,承認された効能・効果,用法・用量に加え,禁忌,警告,使用上の注意,薬物相互作用や吸収・分布・代謝・排泄のプロファイル,そして毒性や過量投与への対応を確認すべきである.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.