増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅲ.ベッドサイド処置の実際
癌化学療法・PBSCT(自家末梢血幹細胞移植)・静脈炎
若月 俊二
1
,
冨田 善彦
1
Shunji Wakatsuki
1
,
Yoshihiko Tomita
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科腎泌尿器病態学分野・分子腫瘍学分野
pp.161-167
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904597
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1 はじめに
泌尿器科腫瘍は近年,前立腺癌や精巣腫瘍などのホルモン依存性の腫瘍をはじめ,外因性内分泌撹乱物質の影響もあり,軒並み増加傾向にある。精巣腫瘍など,若年層に多発する癌腫ではいまだ市民の啓発も不十分で,far advanced stageで医療機関を訪れる症例も少なくない。膀胱腫瘍ではneoadjuvant settingとしての抗癌化学療法(癌化学療法と略す)の他に,従来では膀胱全摘除術の適応であった症例でも社会的に臓器温存を目指して集学的治療も行う必要があり,術前の癌化学療法は不可欠な治療となっている。そこで,本稿では精巣腫瘍・膀胱腫瘍に対する癌化学療法について当科での治療の実際と,特に精巣腫瘍ではfar advanced stageに対する自家末梢血幹細胞移植併用の高用量化学療法について,また癌化学療法に伴う静脈炎について述べる。
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