Japanese
English
綜説
膀胱上皮内癌—病理学的概観と悪性度の異なる2組織型の臨床病理
Carcinoma in situ of the Bladder:Pathological Survey and Two Different Histologic Types Relating to Malignancy
花井 淳
1
,
井口 正典
2
,
栗田 孝
3
Jun Hanai
1
,
Masanori Iguchi
2
,
Takashi Kurita
3
1市立堺病院病理・研究科
2市立貝塚病院泌尿器科
3近畿大学医学部泌尿器科
キーワード:
膀胱上皮内癌
,
組織型分類
,
病理診断
Keyword:
膀胱上皮内癌
,
組織型分類
,
病理診断
pp.357-366
発行日 1997年5月20日
Published Date 1997/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904383
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膀胱CISについて病理組織学的視点から歴史的経過と現在の考え方を要約した。その中で,組織診断基準が今一つ明確さを欠いていることがわかり,泌尿器科医,病理医,細胞診スクリーナーによる膀胱CIS病理診断パネルを過去3年間に3回実施した。このパネルの22症例の検討において,腫瘍細胞の核質には,核質粗慥の群とクロマチンが濃く均質な群の2種類があることがわかった。前者はPCNAやp53が陽性を示し,容易に浸潤しやすく,活性型とした。後者は2抗体が陰性,剥離傾向が強く浸潤性が乏しく変性型とした。検討した22例中16例がCISであった。変性型10例,活性型1例,混合型5例であり,混合型では変性型優勢が3例であった。この型分類は治療法選択に有効であると思われる。
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