増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅸ.そのほか
泌尿器科医が行う麻酔(日帰り前立腺治療,内視鏡検査,内視鏡処置のための麻酔)—経会陰的前立腺ブロック
矢島 通孝
1
,
岩本 晃明
1
Michitaka Yajima
1
1聖マリアンナ医科大学泌尿器科
pp.361-364
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902956
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1 はじめに
近年,前立腺肥大症に対する低侵襲治療として,経尿道的前立腺高温度治療,経尿道的レーザー前立腺切除術,永久留置型尿道ステント,経尿道的前立腺電気蒸散術などが登場してきた。また,社会的あるいは医療経済的な面から,入院期間の短縮あるいは外来での日帰り手術が奨励されるようになってきた。実際,1998年4月より,経尿道的レーザー前立腺切除術を日帰りで行った場合は,保険点数1,000点が加算できることになった。最近の低侵襲治療法を使用すれば,前立腺肥大症に対する日帰り手術は十分可能である。しかし,病院内での他の部署との連携,特に,麻酔の問題で日帰り手術を断念している施設も多いかと思う。また,男性での膀胱鏡検査あるいは尿管ステント抜去の際などに,非常に強い疼痛を訴える患者をときどき経験する。
最近,筆者らは前立腺肥大症に対する前立腺組織内レーザー凝固法(interstitial laser coagulation of the prostate:ILCP)を,麻酔法として経会陰的前立腺ブロック1〜4)を使用して,外来での日帰り手術として行っている。また,尿道ステント留置や尿管ステント抜去などの際にもこの麻酔法を使用し,患者に好評である。本稿では,この経会陰的前立腺ブロックについて概説する。
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