小さな工夫
肛門閉鎖状態における経直腸的前立腺用プローブを用いた経会陰的前立腺生検
石津 和彦
1
,
内藤 克輔
1
1山口大学医学部泌尿器科
pp.167
発行日 1998年2月20日
Published Date 1998/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902244
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前立腺生検は,一般的に経直腸的超音波断層法または直腸診ガイド下に,経直腸的または経会陰的に穿刺し施行する。しかし,直腸癌根治術後に肛門を閉鎖された状態では,経直腸的超音波断層法および直腸診による穿刺ガイド下の前立腺生検は不可能である。筆者らは,PSA高値のために前立腺癌が疑われた肛門閉鎖状態の患者に対しては,経直腸的前立腺用プローブを用いた超音波ガイドにより経会陰的に前立腺生検を行っている。
本法では,プローブはアロカ社製の経直腸的穿刺用電子コンベックス探触子(UST−665P—5)を,接続超音波装置は同社のSSD−650CLを用いている。本プローブはEnd Fire方式で,周波数は5MHz,視野角は90°,曲率半径は9mmである1)。生検針は長さ20cmの18G針をバード社製自動生検装置(バイオプティガン)に装着して用いる。経会陰的ルートは経直腸的ルートに比較して刺入部から生検部までの距離が長くなるため,生検針は20cmの長さのものが適する。前立腺生検は仙骨硬膜外麻酔下に患者を截石位として行う。陰嚢をテープにて前方に固定した後に会陰部をイソジンにて十分に消毒する。プローブを会陰部に押し当てて前立腺を描出し(図1),生検針を穿刺ラインに沿って経会陰的に進め,前立腺生検を施行している(図2)。
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