増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅹ.メディカルエッセイ
私の夜尿症治療法
菅谷 公男
1
1琉球大学医学部泌尿器科
pp.240
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902931
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夜尿症に関しては医師により治療法,治療開始時期がかなり異なる。夜尿症の原因はさまざま挙げられるが,潜在性二分脊椎による極軽度の神経因性膀胱が多いように感じる。しかし,夜尿症は小児期の疾患であって,成人の夜尿症は極めて珍しい。その理由は,相対的膀胱容量の増加,尿量の日内変動の確立や尿濃縮力の発達,それに遅延していた神経系の発達が思春期までに追いつくためかも知れない。このように,夜尿症はほっておいても治る。しかし,本人と家族にとってはほっておけないから受診することになる。
受診のきっかけは"お泊まり"で,友人宅への宿泊や修学旅行の場合である。小学生や中学生にもなってまだ"オネショ"しているのは病気かも知れないと親が連れてくることも多い。本人にとってオネショは恥ずかしことであるが,毎日のことなので普段家庭ではあまり恥ずかしくないようだ。しかし,お泊まりを前にして恥ずかしさが頭をよぎり,親は子が辱しめを受けないようにと連れてくる。
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