増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅱ.外来検査法のポイント
視診,触診,直腸診
保坂 義雄
1
Yoshio Hosaka
1
1東京大学医学部附属病院分院泌尿器科
pp.33-39
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902886
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1 はじめに
外来診療は初診と再来に大別される。さらに,急患への対応を別に考える必要がある。初診では問診表記入事項を参照にして,主訴,現病歴,既往歴,家族歴,生活歴,常用薬,特記事項の有無などを過不足なく聴取し,次いで,身体的所見を要領よく診察し記載する。問題点を整理し,緊急性を判断し,検査診断手順を考える。当座の治療方針を立てるが,必ずしも直ちに治療を開始する必要のないことも多い。初診当日に施行可能な検査を行い,可及的に次回の予定を決めておく。泌尿器科外来では尿検が必須であるが,沈渣を医師自身が鏡検することが望ましい。検査施行日に結果の出ない検査も多く,適宜勘案して診療スケジュールを想定し,カルテに記載しておく。次回は検査を予約することも,適宜再来でよいこともあるが,患者が次回どうしたらよいか迷わないようにしておくことが大切である。
一般に,再来の際は始めに前回受診以来の状況を尋ね,新しい検査結果があれば結果の意味を検討し患者に説明する。治療が先行すると,症状や所見が改善し診断が不正確ないし困難になることがある。癌や難病患者の経過観察では,定期検査の予定を確認することも忘れないようにする。
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