増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅰ.主訴からみた診断指針
膿尿
荒川 創一
1
Soichi Arakawa
1
1神戸大学医学部泌尿器科
pp.29-32
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902885
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1 はじめに
一般に膿尿は尿路感染症の存在を示す客観所見である。泌尿器科外来において来院の契機となる主訴は,大きく分けて,①尿の性状の異常,②排尿または蓄尿の異常,③疼痛,④陰嚢内容などの腫脹または腫大,に4類型化できる。この中で,尿性状の変化に患者自身が気付いて受診する場合の多くは血尿である(前項参照)。それに対して,混濁尿を主訴として来院することは比較的少なく,混濁尿の中でも膿尿については,尿路感染症の自覚症状があれば,そのほうが主訴となっていることが一般的である。しかし,尿路カテーテル留置例では,無症状の尿路感染であっても,蓄尿バッグの貯留尿や管内の尿が混濁していることに気付いて受診することは少なくない。
本稿では,膿尿をみたときの診断について,概説してみたい。
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