Japanese
English
検査と診断
直腸診について
Practice of Rectal Examination
鬼束 惇哉
1
,
柴田 正敏
2
Atsuya ONITSUKA
1
,
Masatoshi SHIBATA
2
1岐阜県立医科大学第一外科
2岐阜県立医科大学第一外科教室
pp.1390-1397
発行日 1963年11月20日
Published Date 1963/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203199
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はじめに
直腸診といえば内視鏡やレ線などの種々の器械的検査を含むのであるが,ここでは経肛門的指診について特に述べる.というのは,1)腹部,殊に下腹部,あるいは仙部の疾患ではやらねばならぬ基本的検査法の一つでありながら,どうもしばしば省かれているようで.これをたまたま(?)抜いたためにあつという誤診をしたとか,指診をやつてみたらたちまち適確な診断に達したとか,という経験がいろいろの機会に繰返して強調され,2)その一方で,一般の診断学書には実際のやりかたについての記載がなく,3)また,これはあまり綺麗な手技ではないが,手は石鹸で洗えばすぐ清潔になるのだから,億劫がるのは間違いで,こんなことは怠る言訳にはならず,4)羞恥感,不安,疼痛恐怖のような患者側の抵抗だけは何ともならぬと敬遠しがちの医家があるが,既に若干工夫されていて,作法通りにやれば割合に円滑に行いうるもので,5)実に簡単しかも他に換えがたい診断的根拠を得られる本法を,日常的かつ正確な検査手技として身につけてもらいたいからである.
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