今月の主題 内科医に必要な末梢血管病変の知識
主な血管病
動静脈瘻
阪口 周吉
1
1慶大・外科
pp.324-325
発行日 1976年3月10日
Published Date 1976/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206454
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概念
動静脈瘻(arteriovenous fistulae,以下AVF,瘻と記す)は、毛細管を経ないで動脈と静脈の間に生じた非生理的な短絡(shunt)をいう.発生する原因は先天性の異常と,主として外傷による後天性のものに2大別され,両者は各々異なる病像を呈する.身体のあらゆる組織に発生しうるが,四肢が圧倒的に多い.といっても,筆者らが最近15年間で経験した末梢血管疾患2330例中,先天性血管異常が133例(5.7%)であり,このうち先天性AVFが35例に過ぎない.後天性AVFはなお稀であるから,全体としては数少ない疾患と考えてよいであろう.
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