増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技
2.膀胱全摘除術
根治的膀胱摘除術(女性)
小松 秀樹
1
Hideki Komatsu
1
1山梨医科大学泌尿器科
pp.89-97
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902273
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はじめに
膀胱全摘除術は筋層浸潤を伴う膀胱癌,あるいは内視鏡で切除不能な広汎な表在性膀胱癌の治療として施行される。通常,女性の膀胱全摘除術では膀胱とともに卵巣,子宮,尿道,腔の一部を摘除する。場合によっては卵巣,子宮,腔を残す。また,腸管を使用して膀胱再建を行う場合は尿道を残す。
女性の膀胱癌の罹患率は男性に比べ低いとはいえ,膀胱全摘除術は女性に対しても少なからず施行されてきた。骨盤内臓器の解剖は男女で大きく異なる。当然,男性と女性の膀胱全摘除術の手技は異なったものになる。しかし,女性の膀胱全摘除術を詳しく解説した教科書は最近までなかった。手術手技についての討論の蓄積も少ない。施設によってかなり異なった手術が行われていると想像する。
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