Japanese
English
手術手技
膀胱憩室摘除術
Diverticulectomy of the Bladder
斉藤 泰
1
Yutaka Saito
1
1長崎大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Nagasaki University School of Medicine
pp.595-599
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203606
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緒言
膀胱憩室は下部尿路通過障害によつて発生するものが多く,そのため高齢者男性に圧倒的に多い疾患である。また膀胱憩室には,憩室内尿貯留のため感染が高頻度に合併し,憩室壁と周囲組織との高度の癒着がしばしば存在する。その他憩室内に結石を伴うもの,憩室粘膜の炎症と尿貯留の関係で憩室内腫瘍の合併も1.7〜8.6%の頻度と報告されている。憩室内腫瘍を合併する場合は別として,単純な膀胱憩室で残尿や尿路感染などが起こらない場合には膀胱憩室の手術適応はない。憩室口が小さく,二段排尿や繰り返す尿路感染を合併することが多く,憩室発生場所も膀胱後壁に多いことから,憩室壁の切除は簡単なようで大出血を起こしたり,尿管,直腸などの隣接臓器を損傷してしまうこともあるので,われわれはBarnes1),辻2)らが報告している憩室粘膜剥離術を膀胱外から試み,出血も少なく,極めて容易で安全であることを確認しているので紹介する。
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