増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅵ その他
1.腹腔鏡手術に必要な局所解剖
腎・副腎
寺地 敏郎
1
Toshiro Terachi
1
1京都大学医学部泌尿器科
pp.236-239
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902062
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腹腔鏡下腎・副腎摘除術は拡大された視野下の手術であり,この拡大視野下では解剖の認識において開放手術と異なる2つの特徴がある。より微細な構造が見えるという点は良いが,逆に狭い視野の中で脂肪に包まれた各臓器の境界,あるいは位置関係を把握しなければならないという難点がある。平面画像を見ながらの手術であり,手技に習熟するまでこの欠点はより増強される。この難点を克服するためには,脈管系の含まれる膜あるいは層構造の認識と,脈管が視野の中に現われてくる順序を知っておく必要がある。一部,開放手術の項と重複すると思われるが,こうした点を中心に解説する。
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