画像診断
経直腸的超音波上で低エコー領域を呈した前立腺末梢域内の肥大結節
大堀 理
1
,
須山 一穂
1
,
内田 豊昭
1
1北里大学医学部泌尿器科
キーワード:
超音波診断
,
前立腺肥大症
Keyword:
超音波診断
,
前立腺肥大症
pp.249-250
発行日 1997年3月20日
Published Date 1997/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902002
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患者 68歳,男性。
主訴 前立腺癌精査目的。
既往歴・家族歴 特記すべきことなし。
現病歴と経過 1982年,他医にて排尿障害のため経尿道的前立腺切除術を受け,病理学的検索では切除組織は前立腺肥大であった。その後,1986年に近医にて直腸診上,前立腺に硬結を指摘され,1988年までに計5回の前立腺生検を受けたがいずれも良性であった。
1988年,当院に紹介され受診した。直腸診上,右葉に硬結を触れ,経直腸的前立腺超音波では直腸診上の硬結と同部位と思われる右前立腺末梢域(peripheral zone)に突出した低エコー領域を認めた(図1)。血清PSA値は16.3 ng/mlであった。超音波ガイド下に生検を施行したところ,Gleason score 6(3+3)の腫瘍を検出され,1988年8月,根治的前立腺全摘除術を施行。全摘標本の腫瘍地図では前立腺全体に散在する腫瘍を認めたが,直腸診や超音波で疑われた部位は末梢域内の前立腺肥大結節であった(図2)。その後,1996年8月に至るまで再発を認めていない。
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