交見室
膀胱全摘後の上部尿路再発—「膀胱全摘8年後の尿管回腸導管吻合部再発」,他
池田 哲大
1
1鳥取大学医学部泌尿器科
pp.86-87
発行日 1997年1月20日
Published Date 1997/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901975
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小生の投稿した本誌50巻3号「膀胱全摘8年後の尿管回腸導管吻合部再発」(臨泌50:234-236,1996)に関して,本誌50巻10号交見室にて旭川医科大学の橋本博先生に的確なご意見を頂き恐縮しております(臨泌50:808,1996)。
橋本先生も膀胱全摘後長期間を経て上部尿路再発を短期間に2例経験されており,そのうち1例はわれわれ同様,尿管回腸導管吻合部付近の再発で,導管周囲の癒着のため手術に苦慮され,われわれの症例の癒着の有無に関してご質問いただきました。手術所見ですが,回腸導管をストーマ側より剥離し,約10cm中枢側に右尿管回腸導管吻合部を認め右尿管を剥離しました。橋本先生のご推察の通り,左右の尿管と回腸導管はきわめて強く癒着していました。右尿管と導管を指標とし導管,左右尿管回腸導管吻合部を一塊として周囲から剥離し,左尿管の剥離へと移りました。手術時間は左腎尿管摘出術と右尿管皮膚瘻造設術を含め7時間30分,失血量は950gでした。
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