学会印象記
第26回国際禁制学会
井川 靖彦
1
1信州大学医学部泌尿器科
pp.84-85
発行日 1997年1月20日
Published Date 1997/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901974
- 有料閲覧
- 文献概要
去る1996年8月27〜30日までの4日間,アテネで,第26回国際禁制学会(Interna-tional Continence Society:ICS)が開催された。ICSは,"尿失禁に関する研究および治療"をテーマとする国際学会である。第1回大会が1971年に会員30名,参加者60名でイギリスのExeterで開催されて以来,昨年で第26回を数える伝統ある学会である。現在の会員数は世界40か国以上から約1,500名に及ぶ。会員は泌尿器科医のみならず,婦人科医,臨床工学士,基礎医学者,看護婦理学療法士などと多岐にわたる。邦人の会員は約100名で,イギリス,米国に次いで3番目に多い。小生にとっては,1985年のLondonでの第15回大会に初めて参加して以来,今回は6回目の参加であった。1985年当時,本邦からの参加者は10名足らずであったが,年々増加し,この2〜3年は40〜50名が参加している。
この学会の特徴を一言で言えば,質の高い発表とそれに対する十分な討議を目指す趣旨で発表演題を厳選して討議時間を十分に取ることであろう。演題の採否とプログラム作成を委ねられるScientific Committeeのメンバーが総会において選出されるのも本学会の特徴で,演題の採否判定に公正さを期すための努力の現われと思われる。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.