小さな工夫
前立腺全摘除術時の前立腺直腸間隙剥離の工夫
高井 計弘
1
,
亀山 周二
2
1東京大学医学部附属病院分院泌尿器科
2東京大学医学部泌尿器科
pp.804-805
発行日 1996年9月20日
Published Date 1996/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901907
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逆行性前立腺全摘除術時の前立腺直腸間隙の剥離を,その後の深陰茎背静脈の結紮,前立腺尖部の操作を安全に行う目的で,手技に工夫を加えたので報告する。
まず前立腺前面および内骨盤筋膜上の脂肪組織を除去し,浅陰茎背静脈を切断する。内骨盤筋膜に十分緊張をかけそれを張ったところで,尖メスで切開を加え開放し,内骨盤筋膜と前立腺筋膜を離す。その間隙にクーパーを入れ,前立腺側面と骨盤筋群を鈍的に剥離する。さらにその開かれた間隙に第2指を入れ,前立腺の後面で直腸との間隙を剥離する(図1)。左右から同様の操作でこの間隙を剥離し,交通させる。指をガイドとして,この間隙にシリコンペンローズドレーンを通す(図2)。このシリコンペンローズドレーンを適宜牽引することにより,前立腺をより近位に引き寄せて以後の操作が行える。
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