小さな工夫
漿膜トンネル法による尿管回腸逆流防止術
山本 秀伸
1
1栃木県立がんセンター
pp.800-801
発行日 1996年9月20日
Published Date 1996/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901906
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新しく簡便な代用膀胱造設術の原型として,筆者は1995年1月より,Montie1)が1994年に発表したW-stapled ileal neo-bladderの術式を採用した。筆者はMontieの手術を広げ,輸出脚を作製して,自己導尿式の代用膀胱も施行しており,W-stapled ileal pouchと呼称しているが,原法では尿管逆流防止術を施行していない。そこで筆者は,Montieの術式の簡便さをそこなわずに,尿管逆流防止を行う方法として,Abol-Enein2)が1994年に発表した,回腸漿膜トンネル法を応用して,適応した。1996年3月までに8例(排尿式7例,導尿式1例)に対し施行したが,良好な逆流防止成績を得ているので紹介する。
術式を排尿式代用膀胱の手術で説明する。遊離回腸50cmを術者から見てW字型に置き,口側端と肛門側端は,吸収性TA(55mm)で縫合閉鎖しパウチとする。パウチの山の部分3か所を,吸収性GIA(75mm)で切開縫合して,パウチのdetubulizationを行う。パウチの最下部を円状に切除して,尿道と吻合する。
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