小さな工夫
前立腺全摘除術における使用機器の工夫
高井 計弘
1
,
亀山 周二
2
1日本赤十字社医療センター泌尿器科
2東京大学医学部泌尿器科
pp.601
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901559
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前立腺全摘除術は広く行われるようになってきたが,なお深背静脈の結紮,膀胱尿道吻合の技術の習得には時間がかかる。これらを容易にするためDVCバンチング鉗子,マクドウガル前立腺手術鉗子,深背静脈結紮器などが市販されている1)。尿道吻合に溝付き金属ブジーが考案されている。しかし,市中病院でこれらの機器をすぐに購入できるとは限らない。そんな状況では,できるだけあり合わせの機器を利用し,各自が工夫し,出血量の減少に努めるべきと思われる。
1) DVCバンチング鉗子の代用品 25cmほどの長さの弯曲したバブコック鉗子が良いが2),現在使用しているものは,17.5cm尿管結石鉗子(図1)であり弯曲はついていない。しかしこれを膀胱側で,できるだけ左右広く前立腺前面の組織を把持すると,十分深背静脈は集束される。続いて,前立腺中央でもこの鉗子で集束し,さらに尿道側で結紮する。このように数カ所で行えば,この鉗子でも十分集束,結紮でき,深背静脈と前立腺の間隙に次の鉗子が入りやすくなる。
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