Urological Letter・164
抗逆流尿管回腸吻合術
pp.703
発行日 1974年9月20日
Published Date 1974/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201856
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尿路変更としては,過去50年間に多くの方法が紹介されてきた。そのなかで,Brickerによつて1950年に普及された回腸導管が今や最も効果的であり標準的方法であると認められている。しかし,本法には尿管逆流が合併し,腎盂腎炎,水腎症,結石形成などを含む腎の長期合併症が起こりうる。
筆者らは1974年11月号のInvestive Urologyにモンゴール犬で行なつた抗逆流漿膜下尿管回腸吻合術の効果を検討し,発表した。この動物実験に成功したので,侵潤性膀胱癌で膀胱を全摘した6人の患者に予定を早めて本法を行なつた。これら6人の患者に合計10本の尿管を回腸導管に吻合し,残りの2人の左側尿管は対照として,標準的な端側吻合で回腸につないだ。そしてこれらを,もし逆流があれば,その逆流状態を実際に見せるためのものとした。また,この患者達には術前と術後に尿培養,血清クレアチニン値およびIVPをみておいた。
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