Japanese
English
セミナー 臨床医のための生物統計学抄説・1
臨床研究とその質
Short Introduction of Biostatistics for Physicians;Clinical Research and Its Quality
樋之津 史郎
1
,
大橋 靖雄
2
Shiro Hinotsu
1
,
Yasuo Ohashi
2
1東京大学医学部薬剤疫学教室
2東京大学医学部健康科学・看護学科疫学・生物統計学教室
1Parmacoepidemiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Epidemiology and Biostatistics, School of Health Science and Nursing, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
臨床試験
,
研究倫理
,
GCP
,
実験計画法
Keyword:
臨床試験
,
研究倫理
,
GCP
,
実験計画法
pp.743-747
発行日 1996年9月20日
Published Date 1996/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901893
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はじめに
かなり乱暴な「たとえ」であることを承知の上で,あえて述べておきたい。「学問のある領域とは,ジグソーパズルのようなものである」と。生物統計学も,一つ一つの概念や手法というピースをつなぎ合わせて構成されるジグソーパズルではないかと考える。一つ一つのピースが何を表わしているかはっきりしていることはむしろ稀で,全体の配置あるいは俯瞰の中でそれぞれのピースのもつ意味が明らかになることが多い。どのような学問でも,最初は一見バラバラに思える概念を覚えることに難儀するものの,点から線そして面というように全体の見通しが良くなるとともに,ピースをあてはめる苦労が少なくなる。もちろん,何を専門とするかにより,そのジグソーパズルのピースの数は違ってくるであろう。生物統計学という領域に対する生物統計家の持つパズルは1,200ピースかもしれないし,臨床医のパズルは300ピースくらいかもしれない。面積も小さいであろうし,ピース自体も粗いものであろう。しかし,そこにその人に必要な概念が過不足なく描かれていれば,少ない数のピースであってもなんら問題はない。
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