交見室
「泌尿器科悪性腫瘍を考える」を読んで,他
三品 輝男
1
1三品泌尿器科医院
pp.446-447
発行日 1996年5月20日
Published Date 1996/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901830
- 有料閲覧
- 文献概要
秋元教授の司会で行われた3名のパネリスト(井坂先生,鳶巣先生,三浦先生)による泌尿器科悪性腫瘍を考える座談会記録(臨泌50巻1号)を興味深く読ませて頂きました。なかでも,癌の告知に関する先生方の考え方と実際の臨床の場での患者さんへの対応のしかたを読ませて頂き,大変参考になりました。3名の先生は基本的に100%近く告知されているとのことでした。
私も原則として,患者さんに真実を伝えるようにしています。特に1984年7月に開業してからは,100%近く病名を告知しています。診療は人と人との信頼関係の上に成り立つものですから,出発点において事実を隠すと,その後のコミュニケーションがスムーズにいかず,結果として患者さんとその家族に不信感を与えてしまいます。三浦先生も述べておられるように,まず客観的事実を本人と家族に十分説明し,納得してもらう事が大切だと思います。たとえば,膀胱癌の症例では,ビデオを見せて,ここに腫瘍がありますと納得して頂き,今後の検査予定を立てます。すべての検査が終了してから,腫瘍の悪性度,深達度及び治療方針を説明します。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.