交見室
膀胱尿管逆流を伴った女性尿道憩室を読んで,他
三品 輝男
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1三品泌尿器科医院
pp.1100-1101
発行日 1990年12月20日
Published Date 1990/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900227
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本誌44巻1号の標記論文では,頻尿,残尿感および排尿困難を訴える50歳女性に対し,著者らはurodynamicsによる検索とX線検査を行い,尿道憩室および両側膀胱尿管逆流現象と診断されている.尿道憩室による下部尿路通過障害に起因して両側VURが発生したとして,尿道憩室切除術を行い,術後VURの消失をみている.この症例より著者らは尿道憩室が上部尿路への合併症も生じうる疾患であることを強調されている.女性排尿障害症例に対する論理的な診断および治療経過として興味深く読ませて頂きました.
泌尿器科領域における女性の下部尿路症状を訴える症例は,女性泌尿器患者の約半数を占め,その症状は膀胱刺激症状をはじめとして多くの不定愁訴があり,診断に困難をきたす場合がしばしばみられます.繰り返す膀胱炎に対しては体質的なものとして処理されたり,不定愁訴に対しては膀胱神経症というあいまいな診断名で処理される場合があります.
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