手術手技 基本的な手術・20
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平尾 憲昭
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1愛知県厚生連加茂病院泌尿器科
pp.1005-1006
発行日 1995年12月20日
Published Date 1995/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901644
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横山先生の「精巣上体摘出術」についての手術手技を拝読させていただきました。本論文は精巣上体摘出術の手技について解剖を含め,その要点を的確かつ明解に記述されていますので,本術式を行う泌尿器科医にとって大変参考になる論文と考えます。著者が述べておられる手技は筆者のそれと基本的には同じであり,ほとんど追加するコメントがないように思われます。しかし,本術式は泌尿器科医にとって修得すべき手術のひとつであり,頻度は少ないものの,適応症例に遭遇したときに安全かつ,正確な手術ができなければなりません。そのための参考にしていただきたく,重複するとは思いますが,筆者の私見を述べさせていただきます。
はじめに,本術式の適応についてですが,非特異性精巣上体炎で再発性の症例や,瘻孔を形成した症例,また消炎後も大きな硬結が残存する症例や膿瘍を形成した症例などが主な適応と考えます。ことに大きな硬結が残存する症例や瘻孔を形成した症例は疼痛その他,自覚症状がなくとも適応と考えます。また,近年激減したとはいえ結核性精巣上体炎も時々みられますので難治性の場合には特に注意が必要です。筆者も最近数年間に3例程の結核性精巣上体炎を経験しています。
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