手術手技 基本的な手術・13
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小松原 秀一
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1県立がんセンター新潟病院泌尿器科
pp.384-385
発行日 1995年5月20日
Published Date 1995/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901510
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悪性腫瘍患者を主として治療している私共の施設では,回腸導管造設術は慣れ親しんだ術式のひとつであるが,佐川先生の豊富な経験に裏打ちされた手技解説を拝読しながら,筆者らの手術を改めて振り返ってみる機会を与られたことに,感謝したい。丁寧な理にかなった手術で合併症を避け,かついたずらに手術時間をかけることのないよう習熟する必要があろうと感じた次第である。手術の手順,注意点はわれわれも佐川先生の記載どうりであるが,私なりの工夫など追加してみたい。
われわれの施設では,骨盤リンパ節郭清,膀胱(尿道)全摘除術,回腸導管造設術の順序で手術を進めている。皮切,開腹に次いでまず後腹膜切開から開始する。左側はS状結腸の外縁で外腸骨および総腸骨動脈に沿った切開を加え,右側はさらに回盲部の外縁と腸間膜根に沿った切開2〜3cmを加えて回盲部を剥離することにより,腸管が容易に上腹部に圧排,格納され,リンパ節郭清と膀胱全摘除術のための十分に広い手術野が確保される。次いで尿管を切断し,single Jカテーテルを挿入して尿管断端を絹糸で結紮固定しておく。
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