交見室
日本における議論/臨床医として
藤田 公生
1
1浜松医科大学
pp.801
発行日 1995年9月20日
Published Date 1995/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901604
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いつも考えることなのですが,日本では欧米でみられるような有益な議論がなかなか育たないのはなぜでしょうか。彼らは激しい論争をしていても決して喧嘩しているのではなく,終わるとにこにこと握手をして別れていきます。それに反して日本ではほとんど論争することはなく,議論を始めたときは,最後には馬鹿だ阿呆だと相手の全人格を否定するところまでいかないと収まらない傾向があります。狩猟民族と農耕民族の違いなのでしょうか。
Lancetその他の"Letters to the Editor"欄をみても,雑誌に載った論文を基にして次々と意見の交換がふくらんでいくのに,この交見室ではなかなかそういきません。私もこの欄に意見を述べたために,かなりの大喧嘩になりそうなことが2回ありました。幸いにそれを契機として,いまではそれぞれの先生と仲良くさせて頂いております。
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