Coffee break
前立腺肥大症とQuality of Life
山西 友典
pp.182
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901480
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近年,良性,悪性疾患をとわず,治療において患者さんのQuality of Life(QOL)が重視されるようになった。筆者も医師は疾患を治す者ではなく,患者を治すべき者であるという立場から,この考えに大賛成である。
従来の前立腺肥大症の治療方針の考え方としては,排尿症状を刺激症状(頻尿,夜間頻尿,尿意切迫,尿失禁)と閉塞症状(排尿開始遅延,排尿時間延長,尿線細小,間欠的排尿)にわけ,他覚的に尿流測定および残尿測定の結果を合わせて重症度を決定し,手術適応を決めていた。しかし,排尿症状がどの項目も他覚所見と相関するものはなく,いったいどの症状が患者さんのQOLにもっとも関わっているのかはっきりしなかった。
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