Coffee break
deep venous plexusのbunching
藤岡 知昭
pp.177
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901478
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骨盤内手術において,恥骨後面すなわちdeep venous plexusの的確な止血操作は,術中出血量を左右するとともに前立腺尖部および尿道を明瞭に露出するために重要であり,種々の特殊な鉗子や陰茎根部の結紮,恥骨切除を初めとする術式が考案されている。これらの中で,1988年,Myersにより提唱されたdeep venous plexusのbunching techniqueは特記すべきart of Urologyである。この術式の要点は以下のごとくである。下腹部正中切開後,レチウス腔を十分展開する。両側内骨盤筋膜をハの字状に切開,肛門挙筋を鈍的に骨盤壁に向かい押しやることにより前立腺側面を明瞭とする。恥骨前立腺靱帯をできるだけ恥骨より鋭的に切断し,deep venous plexusの処理に移る。前立腺前面は薄い筋膜およびvenous plexusに覆われているので,この筋膜をbunching(集束結紮)することにより前立腺前面および側面が明瞭に露出されることになる。このbunching techniqueの特徴は,1)bunchingを針糸により施行する,2)初めに膀胱頸部で三角形をしたvenous plexusを中央に寄せる様にbunchingし,これが完成した時点で前立腺尖部でのbunchingを施行する。
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