増刊号特集 泌尿器科病棟マニュアル—ベッドサイドの検査と処置・私はこうしている
ベッドサイドトラブル対処法—こんなサインを見逃すな
発熱
布施 秀樹
1
1富山医科薬科大学医学部泌尿器科学教室
pp.113-117
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901450
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発熱はそれ自体一症候にすぎないので,発熱を呈した患者を診察するに際しては常にその原因診断を念頭において診察をすすめることが大切なことは論を待たない。診察をするに際して発熱の程度(微熱37.0〜37.9℃,中等度発熱38.0〜38.9℃,高熱39.0℃以上),発熱の持続期間,熱型(稽留熱,弛張熱,間歇熱,波状熱)などは原因疾患の鑑別にある程度役立つ。さらに発熱に随伴する症状や身体的所見,すなわち発疹等の皮膚症状,呼吸器症状,消化器症状,神経症状,尿路系症状,リンパ節腫脹などを見逃ぬよう注意深く,問診,診察するのが肝要である。その場合固定概念に捉われない柔軟な姿勢で診察に臨むことが望ましい。
表1に発熱の原因となる疾患を列記したが,泌尿器科入院患者においても,まずこれらの疾患を念頭において先入観に捉われず診断を行うことが必要である。ここでは紙面の都合上泌尿器科病棟で発熱原因として比較的遭遇することの多い泌尿器科疾患に限定して述べることとする。
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